信号小話6 交通信号設置記念日の謎

2017年07月30日 18:57

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↑8月20日は交通信号記念日。銀座の尾張町交差点など34箇所に日本初の3色灯自動式信号機が設置されたことにより制定されました



いわゆる「今日は何の日??」でたまに言及されるのが、この「交通信号の日」「交通信号設置記念日」です。
1931年8月20日に[日本初の][3色灯][自動式信号機]が設置された…ということなのですが、よくよく考えてみるとちょっとおかしいんですね。そもそも自動交通信号機は前年の1930年3月に米国レイノルズ社製(灯火式かつ三位式かつ自動式)が東京日比谷交差点に設置されていますので、「1931年8月20日が初」だとおかしくなります。


ちょっと話を整理してみます。
[仮説1 日本初の信号機ではないのか?
 これは「信号機」というものをどのように定義するか?という話になってきます。灯火式・文字式等原始的な話については前回のブログ記事「信号小話5 そもそも「信号機」の定義とは?」でざっと記述しましたので、そちらをご覧いただければと思います。


[仮説2 灯火式かつ三位式のものとしては初ではないか?]
 1927年11月に灯火式(青・黄・赤・矢印色灯)のものが東京本所原庭警察署で試験設置されています。ただ、この時は、実用化はなされず仕舞いでした。更に、1929年09月には灯火式かつ三位式のものが東京で設置されており、このときは手動で操作するタイプのものでした。よって、灯火式かつ三位式のものとしては1931年よりももっと早くに設置されていたこととなります。

[仮説3 灯火式かつ三位式かつ自動式では初ではないか?]
 前述のとおり、東京日比谷交差点に米国レイノルズ社製の自動信号機を設置したのは1930年3月のこと。なので、この説明は違います。

[仮説4 灯火式かつ自動式かつ三位式で国産の信号機としては初ではないか?]
 1930年05月に灯火式かつ三位式かつ自動式のものでは、初の国産となる信号機が東京や京都で設置されています。更に翌年6月には東京日本橋・呉服橋、大阪千日前などに設置されています。よって、1931年8月時点では既に国産の信号機が設置されていたこととなります。

…というわけで、なぜこの日が交通信号設置記念日なのか、ちょっとわからない状態です。強いて言えば、1931年8月は東京市電気局(いわゆる路面電車)が自動式交通整理機の設置申請を出した時期であり、これを機に一気に信号機が普及したという面はあります。実際、これまで路面電車の運行にあたって東京市電気局は信号人を配置してきましたが、これらを自動化したいという思惑が東京市電気局にあり、この流れが信号機の普及を後押ししていました。
交通信号設置記念日は、この辺りが関係しているのかな…という気がします。

いずれにせよ、「交通信号設置記念日」がなぜこの日なのか、そして誰が定めたモノであるのか、謎のままとなってしまいました。
あと20日で交通信号設置記念日がまた到来しますが、この謎を解ける人は現れるのでしょうか…。

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