ジャンクションの形状概説(2)

2011年11月06日 11:07

前回「ジャンクションの形状概説」ということで、ジャンクションの基本的な形状を解説してみましたが、今回は特殊なジャンクションを取り上げていきます。なお、1・2は道路構造令に記載あるのに前回ブログ記事では漏れていたものですので、1・2(特に1)は特殊なジャンクションというわけではないです。

1 対向ループ型 

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道路構造令でコメントされているのに、前回記事で完全に漏れてしまったものです。
クローバー型とタービン型の合いの子のようなものでありまして、クローバー型で顕著になる織り込み交通の問題がこちらでは発生しなくなります。

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画像は、代表例として埼玉県の川口ジャンクションの画像を持ってきています。
赤線・青線(または黄色・緑色)の部分で織込交通が発生するように見えますが、きちんと分離帯で区切られており、合流部分と流出部分が混ざることはありません。もっとも、タービン型ジャンクションに比べれば、270度ループを強いられる箇所では交通容量が小さくなります。


2 ロータリー型

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欧米で主流のロータリー型交差点(ランドアバウト方式)を利用したもの。
道路構造令でも言及されていますが、日本では採用例はほとんどなく、実質的には名神高速西宮ICのみで採用されています。画像も、西宮ICのものをもってきてみました。(JCTではないのですが…)
ちなみに、画像中央を右下から左上に走る高架橋は阪神高速3号神戸線なのですが、ここでは無視します。

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名神高速西宮IC出口料金所を通過してきた車両は、赤色の線を時計回りに走ることとなりますが、
(1)国道43号大阪方面に走る車両は青色矢印のランプで流出します。
(2)青色矢印で流出しなかった場合は、国道43号大阪側からの車両(黄色矢印)と合流し、すぐのところで国道43号神戸方面の分岐(紫色矢印)がやってきます。
(3)更に紫色矢印でも流出しなかった場合は、国道43号神戸側からの車両(緑色矢印)と合流し、再び名神高速西宮料金所に戻って、今度は名神高速を上り方向に走っていくことになります。

赤線のループがロータリーにあたりますが、黄色矢印と紫色矢印では当然に織込み交通が発生しますし、流出・流入のランプを全て一つのロータリーで処理する以上、交通容量としてはあまり大きなものではありません。名神高速建設時では。近くに阪神電鉄との踏切はあるわ、市街地のため用地の確保は難しいわ、既にR43(当時は二級国道173号)の上に高架道路を建設することが「決定の含みになっている」わで非常に設計が難航したらしく、当時の道路公団担当者がさんざん悩んだあげく、このようなロータリー型が採用されたのだそうです。

bl-ly06bc.jpg

一応、道路構造令では上のように記載されています。
ロータリー型交差点がそもそも普及しておらず、事故防止リスク低減の考え方が強い日本においては、こういう方式はとりづらいと思います。


3 十字直結型

ここからは道路構造令に記載がないものなので、名称は便宜上のものです。
こちらの「十字直結型」はタービン型に近い構造なのですが、タービン型のようにぐるっと回るランプがとられておらず、ほぼ直線的なランプで接続されている点が大きな違いです。

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「十字直結型」は何かの本で読んだネーミングなのですが、典拠書籍が見つからなかったので、間違っていたら後で修正します。(画像は大阪市の北港JCTより)


4 トライアングル型

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位相的には「Y字型」なのですが、首都高ではよく見られるタイプです。
純粋なY字型との最大の違いは、本線車道を確定させると、いずれかの場所で右側流出入が発生すると言う点。

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上の画像は谷町JCTのものなのですが、赤線部分が都心環状線内回りで、画像上より下方向へ車両が走っていきます。このとき、まず首都高3号渋谷線である青線部分が赤線から分岐しますが、これが通常の車線左側からの分岐でなく、右側からの流出となります。その後、首都高3号渋谷線からの流入(緑色部分)がやってくるのですが、こちらも右側からの流入となります。


実際のところは、首都高HPの路線図を見た方が一目瞭然なので、そちらも引用のうえ掲載してみます。
ちょうど三角形が横にきれいに並んでいるような状態です。通常のY字型に比べれば構造が単純になるので、用地等の制約が多い都市高速でよく採用されています。

bl-ly06cc.jpg
(上の画像は首都高速HPより引用:http://www.shutoko.jp/service/map/images/a2_zentai.pd)


5 美女木ジャンクション

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高速道路同士の接続であるにもかかわらず、諸々の事情により信号機を設置して平面交差にしたという前代未聞のジャンクション。1998年の信号機設置以来利用した人も多いでしょうから、特に首都圏のドライバーにはおなじみと思います。
作者KAWASAKIとしては、前回ブログ記事の冒頭で記述したジャンクションの定義から外れるので、名称は「ジャンクション」となっているものの、そもそもこれはジャンクションにあたらないと考えています。

bl-ly06eb.jpg
(上の画像は首都高速HPより引用:http://www.shutoko.jp/service/map/images/bijyogi.pdf)


6 垂水ジャンクション

おそらく日本一複雑なジャンクション。
神戸淡路鳴門自動車道(上下線)・阪神高速5号湾岸線・第二神明道路の計4方向を接続しているジャンクションです。このうえ、複数の事業者があるために料金所も設置されており、更には垂水IC出口も付いており、非常にややこしくなっています。
一般道路出口である垂水ICも含めれば、五差路ジャンクションとなります。

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十字路ジャンクションではなく、極めて鋭角のX字型ジャンクションとなっているためにランプの配置もわかりづらいですが、よーく見てみればタービン型のジャンクションの一類型と言えます。案内標識も方向別に色分けするなどしており、それに従って走れば何とかなると思います。(ただし、ランプがものすごいことになっているため、ぐるぐる回っているうちに目的の路線に出るまでは方向感覚を失う可能性大です。)

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一応、本四高速のHPを見ても良いのですが、四国新聞社の記事によくわかる概念図がありましたので、全体像を把握したい場合はそちらを参考にされても良いかと思います。
本四高速:http://www.jb-honshi.co.jp/use/tarumi.html
四国新聞社:http://www.shikoku-np.co.jp/feature/tuiseki/011/
(上の画像は四国新聞社のHPのものです)



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コメント

  1. ×ね | URL | YInHV9pY

    対向ループ型の写真

    「大阪市の北港ジャンクションの画像」とありますが、川口JCTじゃないでしょうか?

  2. KAWASAKI | URL | Qi8cNrCA

    誤記でした。

    >×ね様

    ご指摘のとおり対向ループ型ジャンクションに掲載した画像は「大阪市の北港JCT」ではなく「川口JCT」のものです。十字直結型の方が「大阪市の北港JCT」です。
    どうもすみません…。

  3. Ice Cube | URL | -

    そういやぁ箱崎JCTも

    箱崎JCTを通過するだけだとなかなか気づきませんが、その下には箱崎ロータリー(ラウンドアバウト)があって(URLに入れておきました)、箱崎PAだの名前の違う出入口だのTCATへのリムジンバスの出口まであって、これはこれは複雑です。
    深川線への分岐はその後に増設されて右からと左からの両方ありますし。
    ロータリーは自分で走ったことはないですが、信号機って昔からありましたっけか。
    そもそもロータリーを作ったのは、小松川線(京葉道路)側と向島線側が相互に行き来できないので合流した根元(都心側)の箱崎で戻れるようにした、というようなことだと思ってましたが。

  4. KAWASAKI | URL | PDrP5gew

    Re:そういやぁ箱崎JCTも

    >Ice Cube様

    箱崎ロータリー拝見しました。すごいロータリーですね~。
    (ランドアバウトではないみたいですね)

    初めて通った人にはかなり難易度が高いランプでしょうね。
    こわいもの見たさで行ってみたい気が出てきました(笑)
    ありがとうございます。

  5. タービン型大好き | URL | JyN/eAqk

    十字直結型の画像

    十字直結型として紹介されているのはどこのJCTでしょうか?教えてください!

  6. KAWASAKI | URL | H84T0CS.

    Re:十字直結型の画像

    >タービン型大好き様

    この記事のコメント「2」で記述しているとおり大阪市の「北港JCT」の画像です。
    ちなみに、「十字直結型」のネーミングもよく調べてみると「個人的にどうかな…」という感じになってきたので、別途ブログで整理してみたいと思います。

  7. タービン型大好き | URL | JyN/eAqk

    Re2:十字直結型の画像

    ありがとうございます。
    美女木JCTもこの構造ならコンパクトにできると思うのですが……。

    話は変わりますが、四国新聞社の垂水JCT攻略法のURLが本四高速になっているので訂正お願いします。

  8. KAWASAKI | URL | H84T0CS.

    Re3:十字直結型の画像

    >タービン型大好き様

    美女木JCTは市街地での高度階層構造になるため、「広さ」に係わるコンパクト以外に「高さ」のコンパクトも必要だったんでしょうね…。美女木JCTが平面交差となった理由はその辺にあるように思います。(十字直結型は高さの面では美女木JCTには不向きでしょう…)

    四国新聞社のURLは今回修正してみました。ありがとうございます。

  9. 氏名記入無し | URL | r3tWPE3k

    大山崎JCT

    大山崎JCTも、垂水と張り合えるほど複雑な構造をしてますよね。

  10. 名無し | URL | f3ExdHZo

    美女木JCT

    外環から美女木JCTの分岐を通過すると上に大きい交差点みたいのがあって、信号があるのでしょうね。ちなみに一般道を合わせて4階立てです。

  11. Ice Cube | URL | -

    美女木は5層ですね

    > 10. 名無しさん
    > 美女木JCT
    > 外環から美女木JCTの分岐を通過すると上に大きい交差点みたいのがあって、信号があるのでしょうね。ちなみに一般道を合わせて4階立てです。

    一般道は新大宮バイパスのアンダーパスがあるので2層、高速部の3層と合わせて5層構造ですね。Wikipedia の通りです。
    新大宮バイパスがない頃から他人の運転で近所を走ってまして、変貌ぶりはそれはもう。

  12. 名無し | URL | f3ExdHZo

    美女木JCTは立ち退きとかして用地確保できないのかね?

    そういえば4号新宿線と中央環状線を繋ぐ西新宿JCTも信号形式にする予定だったらしいのです。(今はハーフの信号なしで供用されてる)

  13. NaK | URL | IMDhlrzY

    ロータリー型の織り込み交通

    ものすごい今更ですが、ロータリー型の「黄色矢印と紫色矢印では当然に織込み交通が発生しますし、」の部分は誤りです。
    というのも、西宮ICにしろ欧州のロータリー型IC/JCTにしろ、ロータリー部分は1車線です。1車線なので、車線変更は発生しませんし織り込み交通にもなりません。
    これに限らず、織り込みになるか否かは車線数や交通規制で変わります。なので、単に近距離に「合流→分岐」のセットがあるだけでは織り込みかは判別できないことに留意です。

  14. KAWASAKI | URL | H84T0CS.

    Re:ロータリー型の織り込み交通

    >NaK様

    インターネットで調べたところ、確かに車線数が2以上ある箇所のことを「織り込み交通」としていることが多いようですね。ありがとうございました。

    ちなみにですが、当方で「織り込み」の定義を確認してみましたところ…

    □1983年道路構造令(解説)
    『織り込み型は平面交差は含まないが、連絡路をすべて独立とせず2つ以上の車道を部分的に重用して織り込みを伴った部分を持つ形式である。この織り込み型の代表的形式としてはロータリー型、直結Y型の変形などが考えられる~』

    □1987年日本道路公団設計要領
    『織り込み(Weaving)とは、同一方向に流れる2つ以上の交通流が小さな角度で交差している地点において、1つの交通流が他の交通流をある距離間に横切ることをいい、その織り込みが行われる区間(通常は流入側のノーズ端から流出側のノーズ端までの延長距離)を織り込み区間という。』

    □2004年道路構造令(解説)
    『織り込み型は平面交差は含まないが連絡路をすべて独立とせず二つ以上の車道を部分的に重用して織り込みを伴った部分を持つ形式である。この織り込み型の代表的形式としてはロータリー型などがある』

    …という感じで、車線数には特に言及していないようです。もしもNaK様で『織り込み交通』の定義に参照した資料・根拠等あれば教えていただけると幸いです。




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