2017/08 今月の画像(猿投グリーンロード・八草インター)

2017年08月01日 21:23

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愛知県の有料道路「猿投グリーンロード」の八草インター付近。
豊田市力石側から走ってきた場合は、ここが有料道路の終点となります。

名古屋市と豊田市足助町などを結ぶ場合はこの有料道路を通過した方が早いのですが、どのような利用者が多いのかが作者KAWASAKIのちょっとした興味だったりします。愛知県道路公社のHPでも、香嵐渓や茶臼山高原への近道であることをうたっているようでしたが…。

[KAWASAI-GO9225]
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信号小話6 交通信号設置記念日の謎

2017年07月30日 18:57

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↑8月20日は交通信号記念日。銀座の尾張町交差点など34箇所に日本初の3色灯自動式信号機が設置されたことにより制定されました



いわゆる「今日は何の日??」でたまに言及されるのが、この「交通信号の日」「交通信号設置記念日」です。
1931年8月20日に[日本初の][3色灯][自動式信号機]が設置された…ということなのですが、よくよく考えてみるとちょっとおかしいんですね。そもそも自動交通信号機は前年の1930年3月に米国レイノルズ社製(灯火式かつ三位式かつ自動式)が東京日比谷交差点に設置されていますので、「1931年8月20日が初」だとおかしくなります。


ちょっと話を整理してみます。
[仮説1 日本初の信号機ではないのか?
 これは「信号機」というものをどのように定義するか?という話になってきます。灯火式・文字式等原始的な話については前回のブログ記事「信号小話5 そもそも「信号機」の定義とは?」でざっと記述しましたので、そちらをご覧いただければと思います。


[仮説2 灯火式かつ三位式のものとしては初ではないか?]
 1927年11月に灯火式(青・黄・赤・矢印色灯)のものが東京本所原庭警察署で試験設置されています。ただ、この時は、実用化はなされず仕舞いでした。更に、1929年09月には灯火式かつ三位式のものが東京で設置されており、このときは手動で操作するタイプのものでした。よって、灯火式かつ三位式のものとしては1931年よりももっと早くに設置されていたこととなります。

[仮説3 灯火式かつ三位式かつ自動式では初ではないか?]
 前述のとおり、東京日比谷交差点に米国レイノルズ社製の自動信号機を設置したのは1930年3月のこと。なので、この説明は違います。

[仮説4 灯火式かつ自動式かつ三位式で国産の信号機としては初ではないか?]
 1930年05月に灯火式かつ三位式かつ自動式のものでは、初の国産となる信号機が東京や京都で設置されています。更に翌年6月には東京日本橋・呉服橋、大阪千日前などに設置されています。よって、1931年8月時点では既に国産の信号機が設置されていたこととなります。

…というわけで、なぜこの日が交通信号設置記念日なのか、ちょっとわからない状態です。強いて言えば、1931年8月は東京市電気局(いわゆる路面電車)が自動式交通整理機の設置申請を出した時期であり、これを機に一気に信号機が普及したという面はあります。実際、これまで路面電車の運行にあたって東京市電気局は信号人を配置してきましたが、これらを自動化したいという思惑が東京市電気局にあり、この流れが信号機の普及を後押ししていました。
交通信号設置記念日は、この辺りが関係しているのかな…という気がします。

いずれにせよ、「交通信号設置記念日」がなぜこの日なのか、そして誰が定めたモノであるのか、謎のままとなってしまいました。
あと20日で交通信号設置記念日がまた到来しますが、この謎を解ける人は現れるのでしょうか…。

首をかしげる40

2017年07月26日 23:33

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傾いている「速度制限40km/h」の規制標識です。
何だか標識が首をかしげているようにも見えるのは、気のせいでしょうか…。

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[KAWASAKI-Bo4278]

2017/07 今月の画像(Georg-Bruchle-Ring)

2017年07月01日 07:56

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ドイツ・ミュンヘンのオリンピックタワーから俯瞰する環状道路「Georg-Bruchle-Ring」です。
ミュンヘンはバイエルン州の州都であり、BMWは元よりシーメンス、リンデグループなども本社機能を置いている都市でして、ドイツの都市でも経済指標的にはトップとも言える実力を有します。

持ち家比率が低い割りに、一人当たり金融資産はトップクラス。一方でスペインなんかだと持ち家比率が高い割りに一人当たり金融資産は下位になってしまいます。このあたりの数値面でも、ドイツという国民性の一端が垣間見えるような気がします。

[KAWASAKI-GN6162]

信号小話5 そもそも「信号機」の定義とは?

2017年06月25日 10:51

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↑左から(警戒標識は除く)、「注意表示式交通整理器」「バタン式交通整理器」「信号標板」
(画像提供:探検コム様(http://www.tanken.com/))

長らく続けてきた「信号小話」ですが、道路交通の世界における「信号機」の定義について述べていこうと思います。
今でこそ、「信号機」とは「青・黄・赤などの灯火から構成されるもの」という意味で定着していましたが、かつては文字による「信号標板」も含まれたほか、「手信号」も別体系の信号として位置づけられていました。
戦後に「道路交通取締法」にて信号機の意味が明確化されるまでの沿革を整理してみます。



(1)「道路交通取締法」制定まで

□1919/09 上野広小路における交通標板の試験使用
 「ススメ」「トマレ」を記載した板を一定時間ごとに90度回転させる仕組みのもので、原始的な交通信号機の始まりです。ただ、時期尚早として正式採用は見送られました。一方で、同月に東京銀座四丁目などで別途開始された「挙手の合図(=後の「手信号」に相当)」が良好な結果を納め、当面はこの「挙手の合図」が使用されることとなります。

※なお、信号機の歴史に係わる多くの資料は警視庁資料を典拠にしていますが、この警視庁資料は一時誤記がそのままになっていた時代があり、注意が必要です。

□1920/12 道路取締令制定

道路取締令第18条 ~略~
 警察官吏は危険予防場其の他公安上必要と認むるときは、一時道路の通行を禁止し又は制限することを得


 これにより、「挙手の合図(=後の「手信号」)」に法的根拠が与えられることとなりました。

□1921/04. 「手による信号方法」
警視庁甲例規により「手による信号方法」を定め、各警察署で適宜行われていた「挙手の合図」を名称等とともに「手による信号方法」に統一。(警視庁では「手による信号方法」を「手信号」と略称していましたが、あくまでも警視庁管内のみの適用でした。以後各府県で制定されるものは、大阪では「手振り信号」、神奈川では「手信号」など呼称はバラバラであり、全国的な統一法規の制定は戦後の「道路交通取締法」まで待つこととなります。)

□1922/03 「信号標板」の使用 
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(画像提供:探検コム様(http://www.tanken.com/))

東京上野公園で平和博覧会を開催した際、会場入口交差点での交通整理のために「信号標板」を使用。実質的に1919年の「交通標板」の再登場となりましたが、これが好評となって以後「信号標板」が都内各地で普及していきます。

□1922/08 「交通整理器(二位式)」の使用
赤・緑の二つの円板に「止レ」「進メ」と記載した「交通整理器」が考案され、東京の主要交差点で使用されます。このときは手動で「止レ」「進メ」を切り替えることで、交通整理を行っていました。
その後、手動式のものとしては1927/08に交通整理器(三位式)や、パタン式(文字通り切り替え時に「バタン」と音が鳴った)などが登場します。

□1926/02 警視庁令第5号交通取締規則制定
「道路を通行するものは警察官吏の交通に関する指揮又は信号に従うべし」と既定され、いわゆる単純な「信号」についてもここで正式に法規上の用語となって登場します。

□1930/04 警視庁訓令告示「交通整理の信号方法に関する件」

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↑「手による信号方法」の告示

 「手による信号方法」と「信号機をもって信号する場合」に分けて規定。「信号機をもって信号する場合」については、文字表示と色灯火信号があること、色灯火信号の緑・黄・赤の意味について定められました。

□1930/03 自動交通整理信号機
 東京日比谷交差点に米国製の「自動交通整理信号機」が導入されます。ここで重要なのは初の「灯火式かつ自動」信号機という点でありまして、従来の信号機は灯火式であっても全て手動となっていました。

以上を整理すると、終戦後間もないころの信号については
●信号は「信号機」と「手信号」が存在した。
●信号機は文字表示と色灯火信号の2種類に大別できた
●さらに手動式のものと自動式のものが存在した。
…という感じになります。



(2)道路交通取締法制定

□1947/11 道路交通取締法制定
これまでの道路関係の法令は、「道路取締令」が存在しましたが、実際の細部の法規は各府県でバラバラであり、いわゆる現在の信号機(灯火式)に相当する装置も名称が「交通整理器」「交通電気表示機」「交通指導標示機」などと府県ごとに異なっていました。1947年になって制定された道路交通取締法は全国に適用される法令であり、これによってようやく交通法規が統一化されます。
この道路交通取締法では、信号機については以下のとおり規定されることとなりました。

道路交通取締法第5条
第1項 道路を通行する歩行者、車馬又は軌道車は、命令の定めるところにより、信号機、道路標識若しくは区画線の表示又は警察官吏の指示に従わなければならない。
第2項 信号機、道路標識及び区画線の意義、設置及び管理について必要な事項は、命令でこれを定める。


実は自動式信号への順守義務が法令上明確化されたのはこのときからです。(1926/02警視庁令第5号交通取締規則では、従うべき対象として「(1)警察官吏の交通に関する指揮」と「(2)警察官吏の交通に関する信号」と明記しており、警察官吏が手動で操作しない自動式信号については従うべき対象から除外されてしまう法解釈が成り立つ懸念がありました。)

更に、政令では信号機を以下のとおり定義しています。

<道路交通取締令>
第1条 信号機とは、人、機械又は電気により操作され、道路の交通に関し、「進め」、「止れ」または「注意」の信号を表示する装置をいう。
第3条第1項 信号は、これに直面する交通に対し、左の意味を表示する。一「進め」(略) 二「止れ」(略) 三「注意」
第3項 警察官吏の手信号は、左の意味を有する。(略)
第4項 信号機の灯火は、左の意味を有する。一 青色は「進め」 二 赤色は「止れ」 三 黄色は「注意」 四 青色の矢印(略) 五 黄色の矢印(略)


その後の定義文から比べるとあまり明確でない気がしますが、前述の終戦後間もないころの信号機の特徴をそのまま文章にしたという感じです。よくわからないのが「人、機械又は電気により操作」というところでありまして、「電気」はよしとして、「人」「機械」はどう区別していたのか…。「人(により操作)」は90度ずつくるくる標板を回すいわゆる「交通標板」、「機械(により操作)」はパタン式のような一応の機械的構造を持つものを指していたのでしょうか…。
このときの信号機の定義は、「踏切遮断機」や「鉄道信号」などの鉄道施設との区分を明確化することに力点を置いていたのではないかと個人的には思っておりまして、道路交通取締法の特別刑法としての厳密性という点は軽視していたように思えてきます。

1953年に道路交通取締令の一部改正がありましたが、ここではひとまず先に進みます。



(3)道路交通法制定

□1960/06道路交通法
現行の交通法規となる道路交通法が制定されました。これに伴い、信号機の定義が若干変更されています。

<道路交通法>
第2条第1項第14号
 信号機 人力または電気により操作され、かつ道路の交通に関し、文字または灯火により進め、注意、止まれまたはその他の信号を表示する装置をいう
第6条第1項
 警察官は、手信号その他の信号(以下「手信号等」という。)により交通整理を行うことができる。
同 第5項
 第1項の手信号等の意味は、政令で定める。


ここでいう「その他の信号」とは、青・黄・赤以外の「青矢印」「黄矢印」「黄点滅」「赤点滅」を指します。従来までの道路交通取締法体系では、点滅信号や矢印信号にかかわる規定への配慮が抜けていました。(一応、道路交通取締法施行令第3条第4項で矢印信号や点滅信号(閃光式)の意味も定められていたものの、同令第1条及び同令第3条第1項に定める単純な「進め」「注意」「止れ」とは厳密には意味が異なるため、法解釈によっては信号機の定義から除外されてしまう懸念がありました。まぁ、矢印信号や点滅信号も普通に解すれば「進め」「止まれ」の一類型と言えたと思います…。)

操作については「機械」が削除されて「人力または電気により操作」となりました。そして、このときはまだ「文字または灯火」とありますので、信号標板のような文字式のものも引き続き「信号機」と位置付けられる状態が続きます。



(4)道路交通法1971年改正

□1971/06道路交通法改正


<道路交通法>
第2条第1項第14号
 信号機 電気により操作され、かつ道路の交通に関し、灯火により交通整理等のための信号機を表示する装置をいう


さりげなく改正されていますが、この時のミソは信号機の定義を「灯火式」のみとし、電気によらないもの(人力式)、文字により表示されるものは信号機の定義から外したことです。これによって、いわゆる交通標板は法令上定義される「信号機」の範囲から除外されることとなりました。逆を言えば、1971年までは信号標板も信号機になりえたわけですね…。

このように、「信号機」と言っても法令上は色々と変遷をたどっており、意外に興味深い流れだったりします。この辺を深く考察した書籍やサイトなどはあまり無いようでしたので、折角なのでちょっと拙作ブログで少しまとめてみました。
長く続いてきた信号小話ですが、あともう一回記事をUpできるかな…というところです。


※画像提供いただいた探検コム様(http://www.tanken.com/)に感謝申し上げます(^o^)/


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